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サロマ湖100kmウルトラマラソン大会レポート(番外編)

走る添乗員® の大会レポート
■2015年6月28日(日) 大会開催 (曇時々晴・最高16℃/最低8℃)
■走る添乗員® 参加種目:100km
■記録:10時間30分27秒
初のウルトラマラソンに出場することができるとすれば6月のサロマ湖ウルトラマラソンになるだろうと思っていました。
秋からのマラソンツアー繁忙期前で少しだけ時間的余裕があり、5月までのマラソン連戦で脚が出来上がっている
状態での挑戦が良かろうとの考えです。

5月の洞爺湖マラソンまでに10週間でフル5本を完走し、持久力はそれなりについているもののウルトラ挑戦に必要と
される
45時間走はおろか、古傷の左ハム、右膝外側の腸脛靭帯とその下の腓骨に痛みが出てしまい5月中旬以降
の練習はシアトルマラソンのハーフ出場以外に
10〜15km程の軽いジョグを数回のみ。

6月に入り右足アーチ部分と親指の先にも痛みが出てしまいましたので、練習は控えて疲労抜きと早い回復のため
の体調管理に専念しました。
数週間前まで暑さ対策を第一に考えて準備してましたが、1週前に確認したところ現地は寒くなる天気予報でした。

サロマリピーターのお話でも概ね3年に1回は寒いレースになっているということで、アームウォーマーとグローブを
念のため持参して
大会前日の土曜日に出発いたしました。

現地に入ると半袖ではとてもいられない程で、オホーツク海からの風がとても冷たく感じました。
ワッカ原生花園ネイチャーセンターに訪れた際は、更に強い風が吹いており翌日も同様の予報でレース終盤となる
80kmからが正念場になると思いました。

ゼッケンは事前に送付してもらっておりましたのでこの日は湧別へは行かず、フィニッシュ会場となる常呂町スポーツ
センター、そしてコース後半のオホーツク国道部分を車で下見した後にホテルへ向いました。
同じホテルに宿泊されたツアーリピーターのウルトラ常連のみなさんから色々アドバイスをいただきましたが、

長時間のレースは2005年のアイアンマントライアスロン以来となり、練習不足はもちろん脚の状態を含め当日まで
不安が払拭されることはありませんでした。 夕刻
6時頃には夕食を済ませ730分頃にはベッドに入りましたが、
なかなか寝付けず
5時間程の睡眠時間で午前130分に起床いたしました。
午前3時にホテルを出発してスタート会場には45分程で到着。 
空いている内にトイレを済ませ、気温も低く寒かったので選手控え室となる建物の中で整列時間まで待機。
スタート30分前に荷物を預けて整列場所へ向かいました。 スタート会場はコンパクトに設営され迷うことはなく、
また荷物預け等もスムーズでスタッフの方の対応も良く、ストレスなくスタートを迎えることができました。
空はすでに明るく応援の方も大勢スタートゲート近くまで集まってきていました。 

6
月の東京と比較して気温8℃は予想以上に寒く感じましたがゴミ袋ポンチョで充分しのぐことができました。
5時のスタート前に世界最高記録保持者の砂田選手、ランナー誰にでも愛される人気のワイナイナ選手から激励の
言葉をいただきいよいよスタートとなりました。
今回は初ウルトラのため目標タイムはあえて設定せず、とにかく完走を目標といたしました。
自分にとって楽なペースは
530秒〜545/km。 しかしながら前述のとおり最後の調整で走った距離は
せいぜい
15km位までのため実際に本番でこのペースが良いのかどうかは全くわかりません。
最初の5kmは集団走となったためかなり遅めの6/kmペース。 寒さもありからだが温まるまでは意識して
ゆっくり走りました。
なかなかスムーズに脚が動きはじめませんがさすがにペースが遅すぎリズムに乗れないため
徐々にペースを上げて
58/10kmを目標に走ることにいたしました。
会場を一周回した後は暫く直線が続き周囲のペースも安定してきて走りやすくなりました。
サロマ湖を右手に直線・緩いカーブを抜けながらひたすら国道から遠ざかる様に走り
18kmを過ぎて折り返し、
再び同じ道を戻ります。 早朝ということもあり応援は少なく単調な区間ではありますが自分にとっては走りやすい
気温でかなりリラックスしてペースを守ることができました。 途中すれ違った方からレース後に聞いた話では、
この間私が集団を引き連れて自然にペースセッターになっていた様です。
折り返し後
27km付近からサロマ湖を眺めると、対角線上のはるか遠くに小さく鶴賀リゾートらしき建物が見えて
(見てしまって)、この先のレースの長さを感じることになりましたが逆に気持ちを引き締めることができました。
暫く楽なペースで気持ち良く走っておりましたが30kmあたりでいよいよ左膝が少し痛み始めました。 
痛みが強くなるとフォームが崩れ、完走も危ぶまれる状態になると思っておりましたのでかなり不安を感じまし
たが、
その後は幸いにも痛みが強まることはなく最後まで走り切れたことは幸運でした。
フルの通過は
4時間0150秒でしたので脚はかなり余裕がありました。
当然ながらこれほど余裕のあるフルマラソンのレースはしたことがありません。 全体のコンディションは良く
ペースを上げたい気持ちもありましたが、以降は未知の距離となるため我慢してペースを守ることに徹しました。
以前サロマはフラットで走りやすいと聞いた記憶がありましたが、実際に走ってみると急坂はないもののそれなり
にアップダウンは多かった印象です。 フルとの距離やスピートの違いがそう感じさせているのかもしれません。

5060km過ぎまでがコース中では最もアップダウンのきつい区間。さすがに脚に少し重さを感じてきました。
しかしながらこれはフルを連戦している時、終盤に感じる疲労感と似ていて大きくペースダウンするほどの
ダメージとは感じませんでした。
一つ目のアップダウンが終わり暫くするとレストステーションが見えてきました。 ここで預けた荷物を受取りジェル等
補給食を取り出して再びスタッフの方へ渡しました。 ここでもボランティアスタッフの段取りの良さを感じました。
前半は携行していたジェルやゼリーしか食べていなかったので、レストステーションで用意していただいたおにぎり
とフルーツを少しいただきリフレッシュすることができました。
シューズは最初から中間点で変えるつもりはなく、ウェアも今回は天気に恵まれていたため着替えはなし。
脚を冷やし軽くストレッチをした後、レストステーションを出発しました。
その後のアップダウンも何とかクリアして60km地点を5時間55分57秒で通過。
いよいよ「魔女の森」と言われる木のトンネルまで来ました。
スタートして暫くは涼しくて走りやすい気温ではありましたが徐々に気温も上がり、晴れてきたこともあって少し暑さ
を感じていたので、木のトンネル内はとても気持ちが良くペースを守って走ることができました。
再び国道に戻り暫く走って
70km地点を6時間5915秒で通過。 ここまでトイレは1回だけではあったものの
立ち寄る給水所での時間が少し多かったのか
後半60分/10kmを確保するための前半の貯金10分は残り30kmを
残して使い果たしてしまいました。 フィニッシュタイムの目標設定はしなかったものの漠然としたイメージとして
10時間15分〜10時間45分位のフィニッシュと思っていましたので、終盤に備え
71km辺りから給水所で定期的な
ストレッチを入れながら走ることにしました。
鶴賀リゾート前ではツアーリピーターの選手ご家族から声援をいただき再度気持ちを入れ直しました。
精神的にはまだかなり余裕はありますが
76km辺りからペースが大きく落ち始めました。 給水所以外での
ストレッチも多くなり歩きたい気持ちも出てきましたが、何とか踏ん張りゆっくりでもがんばって走り続けました。
79kmを過ぎそのまま真っ直ぐ進めば2.5km程でフィニッシュとなるところを左折して、いよいよ正念場となる
ワッカ原生花園へと向かいます。
先輩の皆様からワッカのきつさは聞いておりましたが、80km過ぎの小刻みなアップダウンは本当にこたえました。
歩くのと変わらないスピードまで落ちそうになってはストレッチをして再び走り出すを繰り返す我慢の走りです。 
ワッカ原生花園の往路は苦しい走りが続きましたが、きれいな海浜植物の先に広がるオホーツク海がとても美しく
一瞬で気持ちをリラックスさせてもらえました。 幸運にも今年は例年よりきれいに咲いていたとのことでした。
素晴らしい景色に助けられ長い長いワッカの往路(約
9km)がようやく終わりました。 途中2回目のトイレや
給水所、度々のストレッチでかなり時間をロスしましたが、今回一番きつかった
79km位からの10kmを無理しな
かった事が良かったのか
90km手前から脚が復活して最初のペース近くまで戻すことができました。
とても厳しいワッカ往復ではありましたが、走る添乗員® の性なのかすれ違うランナーの中からツアー常連の方を
見つけて声をかけることは苦になりませんでした。
普段のレースの様に声をかけることで自身の気持ちも強く維持できていたのかもしれません。
ワッカ原生花園を抜けて再び国道に戻ると残りは2km少しでフィニッシュです。 
脚にも少し余力があり気持ち良く走れているせいかあと2kmで終わってしまうのが少し寂しい気持ちになりました。
前を行くランナーは10m程の等間隔でフィニッシュを目指しています。
前のランナーを抜けないことはありませんでしたが、このまま一人づつフィニッシュできるシーンをイメージしていた
のは私だけはなかったかもしれません。 
多くの声援をいただきながら右折して先に見えたフィニッシュゲートは今でも鮮明に記憶しています。

感動のフィニッシュで涙することは残念ながらありませんでしたがフルのそれより大きく感じたことは確かです。
完走メダルをかけてもらい芝生に寝転がりアイシングをしながら長いレースのことを暫し振り返りました。
レースプランをもう少ししっかり組み立てておけば記録はもっと良かったかも… などということも考えてしまい
純粋に感動に浸らない自分を少し反省してしまいました。
着替えを済ませ、完走者に配布される食券とドリンク券を使って会場の屋台で少し一服いたしました。
夕刻の打上げがありましたので会場には長くおりませんでしたが、天気も良く盛り上がっていた様です。
今回はコンディションが万全ではありませんでしたが先ずは天気に恵まれたこと、そして今までのレース実績の
それなりの自信と春から連戦をこなしてきた持久力・脚筋力の貯金で完走できたのではないかと思います。
ベテランランナーのラップを拝見すると好記録を出す方程式(経験値)なるものを少し感じ取ることができました。
コース以上に大会運営も素晴らしくサロマ湖100kmウルトラマラソンに参加して本当に良かったです。
この素晴らしい経験を生かして更に自身の走力向上へつなげていきたいと考えております。
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